2月朝礼 講話
おはようございます。
昨日は「節分」でしたね。今日は「立春」と言い、カレンダーでは今日から「春」になります。1年のスタートの日です。では、1日のスタートと言えば、朝、元気なあいさつから始まりますね。でも、なぜあいさつってするのでしょうか。今日は、そのことを考えてほしいなと思います。そこで「あいさつのきらいな王様」というお話をします。
「王様、おはようございます。」「王様、こんにちは。」「王様、こんばんは。」「王様、おやすみなさい。」王様は起きてから夜ねるまで、あいさつのされどうしです。「ええい、うるさい。いつもと同じあいさつなんかしなくてもいいのだ。」とうとう、王様は、こんなおふれを出しました。「今日からこの国では、あいさつを禁止する。命令に背いたものは、ろうやに入れる。」さあ、国中がおおさわぎになりました。パン屋さんはお客さんに、「おはようございます。」とうっかり言って、つかまってしまいました。昼、おとなりのおばさんに「こんにちは。」といった子供もろうやに入れられてしまいました。あいさつができなくなってしまったこの国は、いつの間にか暗くてさびしい国になってしまいました。あいさつを禁止した王様も、どうしたわけか、日に日に元気がなくなり暗い気持ちになっていきました。そんなある日、どこからか大勢の声が聞こえてきました。それは、ろうやの方から聞こえてくるではありませんか。よく聞いていると「あいさつは楽しい。」と歌っています。王様も聞いているうちに一緒に歌いたくなりました。「ううん、いかんいかん。わしはあいさつがきらいじゃった。あいさつの歌なんて、とんでもない。」王様は急いで、ろうやのそばから逃げ出しました。「ううむ、おかしい。何かおかしい。」王様は考え込んでしまいました。
何日かたった朝、王様はばったり会った家来に、ついうっかり「やあ、おはよう。」と言ってしまいました。家来は、あいさつのきらいな王様が、あいさつしたことにびっくりしました。王様は、あいさつをしたおかげで、今までの暗くて元気のなかった気持ちが、いっぺんに吹っ飛んだことに驚きました。「そうか、あいさつするというのは、こんなに気持ちのいいことだったのか。」王様は、自分がまちがっていたことをあやまり、おふれもやめました。それどころか、それから王様は自分から進んであいさつをするようになったのです。おかげで、この国は、あいさつがとびかって、ずっとずっと笑い声のあふれる楽しい国になりました。
どうですか。世界中から、この南小からあいさつがなくなったら、暗い気持ちになります。暗い学校になってしまいますね。皆さんはこの一年間、元気よくあいさつをしてきました。でも、あいさつは、ただ声を出せば良いのではなく、心を相手に届けることが大切です。心のこもった声が、相手の心に届いて、相手の心を明るく楽しい気持ちにさせてくれるのです。あと、二か月で今年度も終わります。最後の二カ月間、みなさんの心を声にのせて、このお話の中の国のように、南小をあいさつでもっともっと、明るく楽しい学校にしましょう。3月には6年生の卒業式があります。元気で明るい南小学校から送り出してあげたいですね。